【国際情勢分析】
中国広東省の人気紙、新快報の李宜航社長兼編集長と馬東瑾副編集長が11月1日に親会社の羊城晩報報業集団に解任されたことが、中国のメディア関係者に大きな衝撃を与えた。権力の横暴を正面から批判し、与えられたわずかな報道の自由を守ろうとした新快報が当局側に完全に鎮圧されたと受けとめられている。「今回の事件で、中国の報道は完全に死んだ」との感想をもらした大手紙の記者もいた。
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新快報の経済担当の陳永洲記者(27)が、湖南省長沙市の建設機械大手「中連重科」の不正経理疑惑を追及したことがきっかけだった。国有企業である中連重科は、不正な会計書類処理を行い政府に巨大な資産損失を与えたとして、陳記者は5月頃から15回にわたって報道した。中連重科は「虚偽報道」として長沙市公安局に陳記者を告訴した。
陳記者は10月18日、広州市内にある自宅近くの派出所に呼び出され、待ち受けていた長沙市公安局の警察官に車で連行された。4日後の(10月)22日になってから、長沙公安局はようやく陳記者の拘束を発表した。