2012年秋の党大会を前に、新快報は習近平(しゅう・きんぺい)国家主席(60)ら最高指導部メンバーの青年時代に関する独自の記事を掲載したため、当時の編集長が更迭された。また、今年8月に中国政府高官の不正を実名告発した新快報の劉虎記者も北京の公安局に誹謗容疑で逮捕された。
以上の2つは当局を刺激しやすい政治絡みの報道だが、今回拘束された陳記者は経済担当だった。これまで比較的に規制が緩やかだった経済分野での管理も強化されたことに、新快報は危機感を覚えたことが激しい抗議の原因だ。
中国政法大学の何兵教授ら多くの知識人がインターネットで新快報を応援し、北京紙「京華時報」など複数の新聞は、新快報を暗にする支持する記事を掲載した。しかし、中国国営中央テレビ(CCTV)は(10月)26日、留置中の陳記者が「第3者から50万元(約800万円)を受け取って記事を書いた」と罪を認める映像を繰り返し放送した。これを受け、新快報は(10月)27日に1面で謝罪文を掲載、一転して非を認めた格好となった。関係者によると、新快報の編集部内で最後まで抗議し続ける声もあったが、当局の大きな圧力を受けて謝罪をせざるを得なくなったという。