2013年末から14年初めにかけて、中国人民解放軍は中朝国境付近で大規模な軍事演習を相次いで実施した。厳冬期の部隊の機動・実戦力を高めるためとの名目だが、「朝鮮有事への対応と北朝鮮の反中勢力を牽制(けんせい)することが本当の狙い」(中国共産党筋)とみられる。北朝鮮が昨年末に中国と太いパイプを持つ張成沢(チャン・ソンテク)一派を粛清したことに、中国は不信を募らせたようだ。中国の外交関係者は「中朝関係は5度目の氷河期を迎えた」と指摘した。
国境付近で大軍事演習
張成沢失脚が日韓メディアに報じられた直後の昨年(2013年)12月上旬、中国軍は中朝国境近くの白頭山(中国名・長白山)付近に約3000人の兵士を派遣し、耐寒軍事演習を実施した。北朝鮮で内戦が勃発し、武装勢力が中国に入ってくることを警戒する目的といわれた。
今年に入ってから、演習規模はさらに拡大した。韓国のメディアなどによると、中国軍は1月10日頃から、瀋陽軍区に所属する主力部隊の第16集団軍と第39集団軍の約10万人の兵力と数千台の戦車を動員し、白頭山とアムール川の間の地域で、大規模な演習に突入した。国営中央テレビ(CCTV)は11日に第39集団軍の戦車部隊が雪深く積もる原野を進軍する場面を伝えるとともに、今回の演習の目的は「長距離機動力と実戦能力の向上」と紹介した。