28日の判決を受け、自民党の脇雅史(わき・まさし)参院幹事長(68)は国会内で記者団に「与野党でつくる参院選挙制度協議会で、二度と裁判が起きないような制度をつくるのが一番大事だ。改定を加えた選挙制度で次の参院選を迎えるつもりだ」と述べ、格差是正に意欲を示した。しかし、抜本改革はこれまでも試みられてきたが、進んでこなかった。
民主党政権下で行われた与野党間協議では、2010年12月に西岡武夫参院議長(当時)が都道府県単位の選挙区を廃止し全国を9ブロックに分割する試案を提示。一票の格差を1.1倍台に抑える画期的なものだったが、二大政党制を維持したい自民、民主両党から「少数政党が乱立してしまう」との批判が相次ぎ、試案は西岡氏の死去とともに「お蔵入り」になった。
12年11月には、一票の格差を5倍未満となるよう選挙区を「4増4減」する改正公職選挙法が成立、付則で「人口格差の是正を考慮しつつ抜本的な見直しについて結論を得る」とした。与野党は今年9月、選挙制度協議会を設置。改選議員が任期満了を迎える16年7月の次期参院選に間に合わせるため、来年中に改革案をまとめる方針だ。そのためには、15年中に選挙制度見直し法案を国会に提出する必要があるが、危機感が乏しく、主要政党に目立った動きは見られない。