中国紙、金融時報は、地方政府が借入金の返済原資に土地使用権売却による収入を当てにしているため、不動産価格をつり上げようとの思惑が働き、全土で不動産バブルを招いた、との専門家の見方を伝えている。
表面化しない市況悪化
そもそも中国で不動産バブル問題が強く認識されるようになったのは、2008年のリーマン・ショック後に中国政府が打ち出した4兆元(約64兆円)の大型景気対策と金融緩和がきっかけだ。中国は一連の対策で金融危機を乗り切ったが、実需を上回る乱開発で、新築住宅が大量に売れ残って地方都市で「鬼城」とも呼ばれるゴーストタウンが、あちこちに出現した。
地方政府と影の銀行を作り出している金融機関など、既得権益層が不動産価格のつり上げをあの手この手で演出しているためか、広範囲な市況悪化は表面化していない。