■測定数値で量を実感
学習指導要領の改定で、平成24年度から中学理科で放射線について学ぶ授業が約30年ぶりに復活。同要領では、エネルギー資源の利用や科学技術について考える関連で、「放射線の性質と利用にも触れること」とされている。
日本科学技術振興財団(東京都千代田区)は19年から放射線について専門家が教える出前授業を実施。放射線の簡易測定器を用い、身の回りに放射線があることや線量の数値には振れ幅があることなどを教えている。
東海大学付属高輪台高等学校(港区)は先月、2年生を対象に同財団の出前授業を受けた。物理担当の中村春樹教諭は「放射線は目に見えないので、どれぐらいあるかの量を生徒に実感させるのが難しい。自分で測定して数値を見ることで生徒の理解が深まれば」と話す。
同財団情報システム部主査の掛布智久さんは「人体影響を考えるうえで、放射線から身を守るすべを学ぶことは非常に重要。実際に授業を行う先生に放射線への知識をさらに深めてもらい、体験を通して情報を読み解く力を子供たちに身に付けてもらいたい」と話している。