■ほとんどが無痛分娩/出生前診断推奨
子育てだけでなく、台湾での妊娠・出産事情も日本とは大きく違う。
日本では無痛分娩(ぶんべん)は少ないが、台安病院産婦人科の陳思銘医師は「月に200人ほど分娩がありますが、9割は無痛分娩です」。ほとんどの病院で無痛分娩を行っているといい、陳医師は「無痛の方が母親が楽。母親が痛みで動いてしまうことがなく、赤ちゃんもスムーズに出てくることができます」。
日本では命の選別につながる可能性もあるとして議論された出生前診断も台湾では考え方が違う。台湾では34歳以上の妊婦には羊水検査が推奨されている。台安病院では、34歳以上の妊婦のほとんどが羊水検査を受診。若い妊婦にも、母体血清マーカー検査の一つ「クアトロテスト」を勧めている。
羊水検査を受けたある台湾人女性(40)は「台湾人は羊水検査などの出生前検査も血糖値を測るのと同じ感覚。子供が病気だとしたら心の準備ができる。母子検診の一つというイメージ」と話す。