夜もいてくれる
日本でも需要が高まっているのが出産後の母親と赤ちゃんをケアする「産後ケア」だ。日本では施設はまだ少ないが、台湾では5~6年前から産後ケア施設が増えてきた。昨年12月で、台北市内の産後ケア施設は62カ所に上る。
台湾で産後ケアビジネスに長年関わってきた韓睿毅さん(35)は「台湾では、産後をうまく過ごせば、その後の健康は心配しなくていいと言われています」と話す。台湾では産褥(さんじょく)期に「坐月子(ズオユエズ)」と呼ばれる風習があり、母親の体力回復のため、食べ物や行動を制限していた。しかし、近年は女性が産褥期を快適に過ごせるように、と形が変わってきたという。産後は母親や義母らがサポート。周囲に支援してくれる人がいない場合、産後ケア専門の女性に依頼し、家事や育児をしてもらう。産後専門の食事のケータリングサービスもある。
2人の子供を持つ劉萱萱さん(39)は「産後1カ月は、母親は『食べる、寝る、授乳する』以外はしません」と話す。第1子のときは母親に、第2子のときには産後ケアの女性に頼み、それぞれ泊まり込みでサポートしてもらった。「夜もいてくれるので助かりました」と劉さん。