寂しさや不安を軽減
こうした共同生活は少しずつ広がりつつある。京都府城陽市には昨年8月、シェアハウス「ママズ&パパス」がオープンした。オーナーの西尾泰憲さん(62)が自宅を改装し、約7、8畳の個室6室のほか、共用の風呂場、トイレ、食堂などを備えた。1階は喫茶店になっており、入居者に運営の手伝いを行ってもらう予定だ。現在、近隣の市や東京などからも見学者が訪れているという。
西尾さんの父親は退職後、家に籠もり、周囲との交流はほとんどなかった。徐々に認知症の傾向が表れ、西尾さんが介護したという。「趣味でも持って周囲と接していたら、父はもう少し元気でいられたかもしれない」。その思いからシェアハウス開設を思い立ったという。
「シェアハウスは1人暮らしの寂しさや不安を軽減できる。自分で自由に動けるうちに、こういう住まいも選択肢の一つに入れて考えてもらえれば」と話している。