《「サマーレッスン」開発者の原田勝弘さんが、政府のサイバーセキュリティ啓発イベントでVR技術に潜むリスクを説明。ユーザーを嘔吐させたり、洗脳したりできる可能性があるという。[片渕陽平,ITmedia]》
「VR(仮想現実)を悪用すれば、相手の視覚をジャックできる」--PlayStation VR用ゲーム「サマーレッスン」を開発した、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘チーフプロデューサーが3月4日、政府のサイバーセキュリティ啓発イベント「サイバー攻撃を目撃せよ!2017」(ベルサール秋葉原)で、VR技術に潜むリスクについて話した。VRを悪用すると、端末を装着したユーザーを嘔吐(おうと)させたり、洗脳したりできる可能性があるという。
「VRは近い将来、ゲームやエンタメに限らず、何らかの形で生活の中に存在するものになる」と原田さんは話す。例えば、Web会議システムにVR端末を導入して臨場感を高めたり、トラウマをVR世界であえて追体験し、徐々に慣れて克服したり--など、さまざまな用途が見込まれるという。
一方「VRゲームを研究する間に、さまざまな悪用の恐れを発見した」とも。「PCやスマホと同じくVR機器も“マシン”なので、同程度に危険がある。VRならではの悪用手段も予想される」(原田さん)。
「数千人を一斉に嘔吐させる“嫌がらせ”は簡単」
「数千人を一斉に車酔いさせ、嘔吐させることも可能」--原田さんは、そんな悪用方法を紹介する。VR端末がネットに接続し、リアルタイムで映像をストリーミング再生できるようになると、装着しているユーザーを一斉に“3D酔い”させ、行動不能にできる可能性があるという。