「パックマン」などで知られるゲーム会社、ナムコ(現バンダイナムコホールディングス)の創業者、中村雅哉さんが1月22日、91歳で死去した。中村さんは卓越した経営手腕と社内外から慕われた人柄で、今では日本のお家芸ともなったゲーム市場を初期からリードし続けた。他社の大物経営者との確執や幻のゲーム機構想などを含め、世界のエンターテインメント産業に多大な影響を及ぼした故人の足跡を振り返った。
「ナムコのゲームに外れなしって言われていたよな」「ファミコン買ったのナムコのゲームをするためだったよ」
訃報が流れると、インターネットの掲示板には、中村さんを悼むコメントがあふれた。特に、ゲームファンの印象に残っているのは、1980年代のナムコだ。80年に業務用(ゲームセンター向け)に出したパックマンは大ヒットし、その人気はいまに至る。ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するカドカワの浜村弘一取締役は「それまでは敵を撃つ『シューティングゲーム』が主流だったが、まったく新しいゲーム性により、世界中で愛された」と指摘する。モンスターから逃げながら、迷路内に並んでいるドット(クッキー)を食べる。「パワーエサ」を食べると一定期間、モンスターに反撃できるというゲームだ。