奈良県警も、自転車利用マナーとルールの周知徹底に取り組んでいる。奈良署は今年2月、英語と中国語の「交通安全ガイドライン」を管内のレンタサイクルショップ8店に50枚ずつ配布。外国人観光客交流施設「奈良県猿沢イン」(奈良市)のほか、商店街などでも配布している。
ガイドラインでは、自転車での信号や踏切の渡り方など基本的なルールを示したほか、「歩道は歩行者優先で、(自転車は)車道よりを徐行」「2人乗り、並走は禁止」「2段階右折、一時停止標識」など、日本の運転マナーを詳しく説明している。
奈良市内の自転車での人身事故発生件数は、平成28年1~7月が113件と前年比で15件減少、重傷者も前年比で6人減った。だが、奈良署の今村浩三・地域交通官は「件数はあくまでも確認できた数。自転車によるひき逃げ、当て逃げを考慮すればもっと多いはず」という。
増え続ける外国人観光客への対応も課題。今後は外国人留学生らを対象にしたマナー講座も開く予定で、今村地域交通官は「外国人でも高額賠償や事故のリスクは日本人と同じ。マナーの周知を図り、奈良が安全な観光地になるように尽力したい」と話している。