自然の力でセシウム拡散抑制 熊谷組など新技術 森林生態系守る (1/2ページ)

2016.5.23 06:30

福島県飯舘村での実証実験の様子

福島県飯舘村での実証実験の様子【拡大】

 熊谷組は、グループ会社のテクノス(愛知県豊川市)、茨城大、日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で、粘土質の素材や高分子化合物を用い、里山など人が日常的に立ち入る森林地域から放射性セシウムが低地へと拡散するのを抑制する技術を開発した。原料は無害でコストが低く、降雨と雨水の流れという自然の力に委ねるため、通常の除染作業のように地面をはぎ取らずに済み、森林生態系を破壊することなく対処できるのが特徴。新技術は特許申請中で「実用化に向けてさらなる研究を進めていく」(熊谷組土木事業本部の田邉大次郎・事業部長)考えだ。

 傾斜地の森林の腐葉土にセシウムを吸着する粘土質のベントナイト粒子を散布し、植物のセシウム吸収を防ぐ。斜面の下側に高分子化合物「ポリイオンコンプレックス(PIC)」の溶液をまく。ベントナイトは表面にマイナスの電荷を帯びる特性があり、溶液の電荷をプラスにして雨で流れ出るベントナイトを捕捉する。

 ベントナイトに吸着しなかったセシウムは、水に溶けてプラスの電荷を帯びる特性を備えているため、電荷をマイナスにした溶液をさらに低い場所にまいて捕捉し移動を抑制する。

新技術は福島県飯舘村の里山で実証実験を実施。開始して…

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