歩きスマホ 危険なワケ 注意散漫、お年寄りや子供に気づかず (1/3ページ)

2014.1.18 17:48

 スマートフォンの普及にともない、画面を見ながら歩く「歩きスマホ」の危険性が叫ばれるようになった。周囲への注意が散漫になり、とりわけお年寄りや子供への気づきが遅れがちになるという。そのメカニズムについて、首都大学東京の樋口貴広准教授(認知科学)に聞いた。(戸谷真美)

 「画面を見ながらの歩行は、『非注意性盲(もう)』と呼ばれる状態に陥りやすい」。樋口さんが指摘する非注意性盲とは、「見えているが認識できない」状態。脳が処理できる情報量には限界があり、一つのことに意識を向けると、それ以外の知覚情報に鈍感になるために起きる。

 樋口さんの実験では、進路を妨げるようにスライドするドアを前方に設置した場合、通常の歩行であれば遅くとも1・5メートル程度手前でドアの動きに気づくが、ヘッドホンで音楽を聴きながらスマホの画面を見ていた場合は、ドアの直前まで気づかなかった。「大人の歩幅は通常70~80センチなので、本当にギリギリ手前まで気づかない状態。視野に入っていても、意識に上らないからです」

「社会的な弱者に非常に危険な思いをさせていることに気づいてほしい」

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