【被災地へ 石油列車】困難極めた原発周辺の輸送ルート 窮余の策、自衛隊が出動 (1/2ページ)

2017.4.24 06:13

東京電力社員が陸自ヘリに同乗して撮影した福島第1原発3号機の燃料貯蔵プール付近=2011年3月16日(同社提供)
東京電力社員が陸自ヘリに同乗して撮影した福島第1原発3号機の燃料貯蔵プール付近=2011年3月16日(同社提供)【拡大】

 困難極めた原発周辺の輸送ルート

 東京電力福島第1原子力発電所の爆発事故後、原発近隣の集落に出された避難勧告・指示は日ごとに対象エリアが広がっていった。3月15日には、福島第1原発の半径20~30キロ圏内を対象に屋内退避指示が発令され、住民は食料の買い出しにも行けない状況となった。

 被曝のリスク

 各戸に物資を配達するため、トラック輸送網の構築が急がれた。政府や自治体は、対象エリア近辺に配達トラック向けの給油所を確保し、石油輸送を計画したが、被曝を恐れてタンクローリーの運転に手を挙げるものはいなかった。

 政府は、窮余の策として自衛隊による石油輸送に踏み切った。自衛隊員がタンクローリーを運転して指定のサービスステーション(SS)まで運ぶ。石油関連業界に声がかけられタンクローリーが集められ、33台が3月いっぱい石油を運び続け、屋内退避エリア周辺の物流をつなぎとめた。

 ただ、タンクローリーが一度に運べる石油は1台当たり24キロリットル程度で、SS1、2カ所分にすぎない。一刻も早く、より太い石油供給ルートの確立が求められた。

 「タンカーなら最大5000トン運べる」。政府と石油元売り、石油連盟などは、内航タンカーによる輸送を検討し始めた。東北太平洋岸の主要港湾は、大量のがれきが押し寄せて使用不能の状態だったが、現地から「塩釜港が比較的被害が小さい。早期に復旧できそうだ」との情報が飛び込んできた。

国交省がやり玉に

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