海外勢に押され、国内でさえ存在感が小さくなった日本の携帯メーカーだが、「25年9月にスマホ販売台数で世界一を目指す」と公言する企業がある。「フリーテル」ブランドで端末と通信、アプリを一体的に提供するプラスワン・マーケティングだ。東南アジアや中南米にも進出した社長の増田薫(45)は、「日本のものづくりを取り戻すという使命感がある」と強調する。
デジタル社会を発展させる技術革新の背景にはいつも、企業間の熾烈(しれつ)な競争があった。1984年、アップルのCEO、故スティーブ・ジョブズは、新型パソコン「マッキントッシュ」を発表した株主総会でボブ・ディランの歌詞を読み上げた。「いまの敗者が後に勝者となる。時代は変わるのだから」=敬称略、年齢は現在(おわり)
この連載は高橋寛次、大坪玲央が担当しました。
■(1)「売れないわけない」iモード誕生秘話 携帯とネット融合、時代捉えた「i」の文字 から読む
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【用語解説】5G
携帯電話などの端末で通信するための方式のことで、「第5世代移動通信方式」の略。現行のLTEと比べて速度は100倍、遅延は1ミリ秒程度とLTEの10分の1という超低遅延で、自動運転車への情報伝達にも優れるとされる。また、1キロ平方メートル当たり100万台の機器と接続できる。2020年度の実現を目指し、産官学による研究開発が進められているほか、総務省は主要国との連携・協調を通じた標準化活動や、周波数の具体化などに取り組んでいる。