夜行バスに個室備えた豪華車両 運行会社、相次ぎ投入 割高でも人気 (2/2ページ)

2017.1.3 06:35

西日本鉄道「はかた号」の内部。前方にタブレット端末が備えられた個室が4席ある
西日本鉄道「はかた号」の内部。前方にタブレット端末が備えられた個室が4席ある【拡大】

 リピーターを自任する東京都小金井市の男性会社員(54)は「熟睡できて、到着日もフル活用できる」と魅力を語った。

 高速バスマーケティング研究所(横浜市)によると、車両の豪華化はツアー会社の高速バス事業参入を促した02年の規制緩和がきっかけだ。比較が容易なインターネット予約が一般化したのも相まって、低運賃競争に加え、特色ある座席の開発が活発になったという。

 シート幅拡大などを経て、06年にジェイアールバス関東(東京)と西日本ジェイアールバス(大阪市)が東京-大阪で個室シートを初めて導入。ウィラーエクスプレスジャパン(同)が08年に同じ区間で続いた。

 流れは地方と大都市を結ぶ路線にも広がり、海部観光(徳島県美波町)は11年、全12席をテレビ付き個室にした「マイ・フローラ」の運行を徳島-東京で開始。両備グループ(岡山市)は、深い眠りを約束する特製シートを備えた全14席が個室の「ドリームスリーパー」を広島-横浜で12年から走らせ、よりグレードアップした車両を別路線にも投入する予定だ。

開発コストなど課題

 ただ、車両の開発・製造費が高く、観光バスとしての使い回しもしにくいため、導入に積極的な運行会社はまだ限られるという。研究所の成定竜一代表(44)は「膨大な移動量がある東京-京阪神などでは、もっと豪華なバスも登場するのではないか」と予想した。

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