福井県も独自試算
実は、独自試算を行っていたのは滋賀県だけではない。小浜・京都ルートを支持する福井県も6月に県議会の特別委員会で、建設費などについて同ルートと舞鶴ルートと比較した独自の試算結果を明らかにしている。
福井県の試算では、敦賀-新大阪間の建設距離は、小浜・京都ルートが約130キロ、舞鶴ルートが約190キロ。その分、建設費は小浜・京都ルートが1兆3600億円で、舞鶴ルートの2兆400億円より安い。さらに、福井から新大阪までの移動は、小浜・京都ルートの方が20分弱短くなるという。
福井県新幹線建設推進課の担当者は「新しく浮上した舞鶴ルートについて知るために試算した」と説明。また、米原ルートだと敦賀から大阪までは米原駅で東海道新幹線に乗り換えることが前提になっており、今回滋賀県が公表した試算結果については、「米原ルートは乗り換えの利便性(の悪さ)についての視点が欠けている」と指摘した上で、「今は国の調査を待つ」としている。
とはいえ、福井県も「所要時間や乗り換えなど利用者の視点に加え、国土強靱(きょうじん)化の観点からも、北陸新幹線は日本海側を通った方が良い」などとして、小浜・京都ルート支持の従来の立場を崩していない。