6月に就任したNTTドコモの吉沢和弘社長は7日までに産経新聞のインタビューに応じ、年度内に従来型携帯電話「ガラケー」の形状をしたスマートフォンで、高速通信「LTE」に対応した端末を投入する考えを示した。専用の料金体系も設定し、従来型携帯電話の利用者からの移行を促す狙い。「iモード」のサービスも徐々に縮小する。人工知能(AI)の開発では、同社が集めたビッグデータも活用して人の行動を先読みするような機能を追求するとした。
ドコモの携帯電話契約者のうち、従来型の「ガラケー」が約4割を占める。その特徴について吉沢社長は「低価格で電池が長持ちし、操作も簡単だ」と指摘。「こういう機能を残しながら(スマートフォンに使われる基本ソフト)アンドロイドを搭載し、LTEで音質もいい端末を準備する」と明らかにした。
ガラケーの形状のスマホは「ガラホ」ともいわれる。ドコモはすでにガラホを売っているが、対応しているのはガラケーと同じ1世代前の通信規格「3G」。LTEの利用者を増やし、3Gを終えられる環境を徐々に整える考えだ。
ガラケー向けのiモードについては、「システムやソフトによる理由で、数年後にバージョンアップや機能追加ができなくなる」と話した。一方で、スマホ向けにコンテンツを配信している「dマーケット」では、「東京五輪・パラリンピック開催も見据え、スポーツ分野を強化したい」との意向を示した。