日本百貨店協会が20日発表した5月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比5.1%減の4629億円で3カ月連続で前年を下回った。訪日外国人客の高額消費が減少傾向にあることに加え、円高や株安の影響で富裕層の消費も低迷したことが響いた。
近内哲也専務理事は会見で消費環境が、「全般的なマイナス基調にある」と指摘した。5月は地方だけでなく都心の大規模店でも軒並み前年実績を下回っており、先行きの不透明感が強まっている。
訪日客の5月の免税売上高も前年同月比16.6%減の134億8000万円で2カ月連続で減少。購買客数は12.7%増の23万人で3年4カ月連続で増えたが1人当たりの購買単価は26.0%減となったことが響いた。
近内氏は、「訪日客の購買の中心が、高額のブランド品などから、化粧品といった消耗品に移っている」と、分析している。