梅雨入りを控え、百貨店や総合スーパーなど流通各社の梅雨商戦が本格化してきた。雨傘や長靴などで独自の新商品を展開したり、雨の日限定の来客サービスを導入し、差異化を図るのが特徴だ。雨による客足減をさまざまな施策で食い止めようとしている。
イオンリテールは2日から、消費者が自分で着せ替えが可能な新しいビニール傘「ふるり」(950~1598円)の販売を北海道を除く、全国のイオンなど約390店で始めた。簡単に傘の骨とビニール生地の着せ替えが可能なことが特徴だ。生地も花柄や水玉模様などを取りそろえ、46通りの組み合わせが可能。同社衣料商品企画本部の山下義則グループマネージャーは「ビニール傘も使い捨てではなく、長く楽しく使ってほしい」と話す。
東武百貨店池袋本店(東京都豊島区)は、9日から関東地方が梅雨明けまでの期間中、雨の日に一定額以上の買い物をしたら次回の買い物で使えるサービス券などがもらえる「雨の日サービス」を過去最大となる約40の売り場で展開する。
松坂屋上野店(東京都台東区)では、9日までの期間中、東京地方の翌日午前6時~正午の降水確率に応じて対象商品の価格を3~10%値引きする「降水確率連動セール」を初めて実施し、集客を図る。
「雨の日は平均すると5%程度客足が落ちる」(大手百貨店)といい、各社ともあの手この手で、少しでも落ち込みを減らしたい考えだ。