コンビニエンスストア大手のファミリーマートは12日、マレーシアの食品加工会社、QLリソーシーズと提携して、同国のコンビニ事業へ参入すると発表した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効後、コンビニの外資規制が緩和されることをにらんだ取り組みだ。TPP発効後の規制緩和を見越して、市場の成長が見込まれるマレーシアやベトナムへの進出の動きは今後広がりを見せそうだ。
ファミマはQL社とライセンス契約を締結し、今年中にマレーシアの首都クアラルンプールに1号店を出店する。TPPの発効後、日本企業が現地の運営会社に30%まで出資できるようになるため、コンビニを運営するQL社の子会社へ出資する方向だ。
マレーシアにおける日系のコンビニでは、セブン&アイ・ホールディングスが米子会社を通じたライセンス契約を現地企業と締結し、1950店を展開しているが、他の日系コンビニチェーンは展開していない。ファミマにとってマレーシアは「有望なフロンティア。規制緩和をポジティブにとらえていく」(中山勇社長)としており、今回の提携を機に5年で300店の出店を目指す。