東京電力と東芝は18日、東芝の京浜事業所(横浜市鶴見区)で福島第1原発3号機の使用済み燃料プール内のがれきや燃料を遠隔操作で取り出す設備を公開した。昨年末までに操作訓練を終了しており、今後は燃料プール内に設備を据え付け、2017年度から実際に取り出し作業を開始する。
東芝が開発した設備は、大型の燃料取扱機とクレーンで構成されている。22台のカメラが設置され、遠隔操作でがれきを撤去し使用済み燃料を取り出す。燃料取扱機には、2本のアームと治具が搭載され、がれきをつかんだり、ケーブルを切断する。また、使用済み燃料をプールから引き上げる装置も取り付けられている。
クレーンには、使用済み燃料に蓋をする装置が搭載されており、原子炉建屋の地上階まで輸送する役割を担う。
福島第1原発3号機は原子炉建屋の上部が水素爆発で破損し、山積みのがれきが使用済み燃料プール内や燃料交換作業が行われるオペレーションルーム上に堆積し、作業を阻んでいる。燃料プールには566本の使用済み燃料が保管されているが、プール内は放射線量が高いため、人が作業を行うことができない。