右折に課題
だが、課題も見つかった。まず右折時は対向車が隠れて見えず、検知が遅れる可能性があることだ。実験車は地図情報を基に目的地に向かい、車載のカメラ12台や小型レーザースキャナー4個などで周囲を検知して衝突を避ける。右折時に隠れた対向車が高速で突進し、検知が遅れれば衝突の危険性は上がる。
トヨタは対策として、道路や信号に設置したカメラなどの情報をクルマに無線通信で伝える高度道路交通システム(ITS)を開発している。日産がどう対応するかが開発競争の行方を左右する可能性がある。
また、日産は最長150メートルまで撮影するカメラを多く載せているため、手前が青信号でも次の赤信号を検知して一瞬ブレーキがかかるなどソフトウエアの「判断力」向上が必要だと感じた。浅見孝雄専務執行役員は「カメラなど設備はそろってきたが、状況によって操作を判断するソフトの向上が課題だ」と語る。
日産は16年に高速道路の同一車線で自動運転の実用化に第一歩を踏み出す。トヨタも20年ごろに高速道路で自動運転を実用化する予定で、各社がしのぎを削りより信頼できる安全なクルマが開発されることを期待したい。(会田聡)