両社の大きな違いを感じたのが停止時だ。日産の実験車は赤信号を検知して停止すると、計器パネルがフロントガラス上部のカメラ画像に変換。赤信号や歩行者には赤枠がつき、「クルマが気づいていると運転手に知らせることで安心感を持ってほしい」(開発者)。トヨタも車線変更時の音声案内などを充実しているが、日産はヒトとクルマの“意思疎通”をより重視しているようだ。
左折時も、画像に映る横断中の歩行者を赤枠で表示。数人が通り過ぎてクルマが一瞬動き出しても、後続の歩行者を検知するとすぐに停止した。人間の運転とほぼ変わらない感覚だ。
約30分の試乗会で運転手のハンドル操作は、合流で渋滞気味の車線に入れなかった際と、警察が交通規制していた道路の2回のみ。路側帯を併走する自転車を検知して減速するなど安全性は高く、日産が計画する2018~20年の実用化も夢ではないと実感した。