「1000万円のレクサスを売るのは本当に不安…」
具体的には「クルマ好きの方が来てもしっかりと対応できるスペシャリストをもっと増やしたい。一緒に楽しんで話ができる『語り部』を、各店舗に1人ずつ置いていきたいなと。そして、店舗内にレクサスのスペシャリストや、お客様同士でお話ができるような『語り場』を提供したい」と今後の計画を語る。
成瀬氏はレクサスの優位性の一つとして「今までもこれからもカスタマーサービス」と自信たっぷりに語る。
「商品作りを頑張るのはメーカーとして当たり前です。販売店の皆さんも、最高の販売とサービスでおもてなしをして、少しでも早く『レクサスっていいね』と言ってもらえるように、これまでの10年間を取り組んできました。その結果、今回のJ.D.パワーの顧客満足度調査で、9年連続で1位を獲ることができたのだと思います。これは間違いなくレクサスの財産であり、強みです」
現在、レクサスのオーナーは26万人いる。輸入車からの買い替えや若者からの支持が強まるなど、顧客層の幅が広がったほか、レクサスを乗り継ぐロイヤルカスタマーが7割を超えているそうだ。
ただし、これまでの道のりは楽ではなかったと成瀬氏は言う。「10年前にレクサスを売り出したとき、販売スタッフの中には『いままで150万円のクルマしか売ったことのない自分が、これから1000万円のレクサスを売らなくてはいけない。本当に不安です』と口にする社員もいました」。
販売店にやってくるのはセレブと呼ばれる人や医者、地元のオーナー企業の社長といった富裕層。そういった客層にレクサスや自分の店舗、さらには自分のことを好きになってもらうために、販売スタッフやメカニックはいろんな本を読んで勉強をするなど、「顧客としっかり会話ができるように」それぞれが努力を重ねてきたそうだ。