新幹線の開業は旅行客の増加などを通じて沿線地域に大きな恩恵をもたらす。北陸新幹線でも在来線でつながっていたときの2~3倍もの利用客が北陸に足を運んでいる。それだけに、ルート選びは地域のエゴがぶつかりあい、意見の集約は難しい。富山県の石井隆一知事は「いろいろなことをにらみ合わせた適切な案を政府が責任を持って決めてほしい」と訴えている。
経済の地盤沈下が続く関西にとっても「北陸新幹線の大阪延伸は早期に実現すべき課題」(大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭)だ。関係自治体の意見対立などによるルート選定の遅れは、関西経済の立て直しに悪影響を及ぼす恐れがある。