牛丼チェーン大手のゼンショーホールディングス(HD)は15日、「すき家」の牛丼並盛りを291円から350円へ値上げした。原材料価格の高騰や人手不足が背景。牛丼大手3社の並盛り価格はそろって300円台となった。ただ値上げは客離れのリスクをはらみ、今後は消費者をどうつなぎ留めるかが課題となる。
すき家は沖縄県の店舗を除き、牛丼商品55種類を42~62円値上げした。値上げは昨年8月以来で、新興国の需要増などによる米国産肉の高騰を吸収するため。人件費が膨らんでいることもある。大手3社全てが300円台になるのは、2009年11月以来、およそ5年半ぶりとなる。
ゼンショーHDは、過重労働の元凶とされた深夜の1人勤務体制を複数体制に切り替え、人手を集めるためパート・アルバイトの賃上げなどを決定。同社の小川賢太郎会長兼社長によると、今回の値上げは「(賃上げの)原資を見込んでいる」という。
「牛丼並盛り200円台」を唯一死守してきた同社だが、昨年に値上げした吉野家や松屋の動きについに追随した格好だ。