燃費水増し問題が尾を引く
もちろん苦しいのは、経済情勢のせいだけではない。自らの失態も尾を引いている。
2012年に米国で発覚した燃費性能の過大表示による、いわゆる「燃費水増し問題」をめぐっては、現代自と起亜が、1億ドル(約114億円)の制裁金を払うことで昨年11月にようやく決着。その間、スポーツ用多目的車(SUV)では、大雨などで車内に水が入り込む「雨漏り」欠陥まで指摘され、ブランドイメージの毀損に悩まされ続けてきた。
危機感が募る現代自だが、それでも、労使対立が収まることはない。
昨夏はストライキなどの影響で、現代自動の14年7~9月期の営業利益が前年同期比18%減の4年ぶりの低水準を記録。工場の稼働率の低下が響いたからだ。
為替と貿易外交、ブランド競争力、労使問題-悩み多き自動車メーカーの姿は、足踏みが続く韓国経済の課題を象徴しているようだ。