一方で、市場が、ゲームのルールを書き換えながら行われるゲームの場であることは、企業に絶えざる成長機会をもたらす。この科学の知の枠組みを超える市場のもう一つの可能性をものにするには、どうすればよいのだろうか。水越氏とサラスバシ氏の指摘を踏まえれば、個人的な嗅覚と直感と没頭をベースにしながら、以下のような実践課題に取り組むことが重要となりそうだ。
・顧客の振る舞いをとらえ、これに迅速に適応しようとする一方で、自らの活動によって顧客の振る舞いが変わる可能性を見逃さない。
・ゴールを決めて、それをいかに実現するかを考える一方で、自らビジネスを顧み、ゴールを変更することでさらに大きな価値を生み出せないかを考える。
(神戸大学大学院経営学研究科教授 栗木 契=文 平良 徹=図版作成)(PRESIDENT Online)