ナイトの第一の不確実性は、結果はわからないが、事象が生じる確率の分布は既知だという場合である(Risk, Uncertainty and Profit, Beard Books)。
これは、たとえば、壺から玉を取り出すくじ引きで、壺のなかには「当たり」の赤玉が3個、「外れ」の白玉が7個入っていることが事前にわかっているような場合である。
第二の不確実性は、結果がわからないのみならず、事象が生じる確率の分布も未知だという場合である。これは、先と同様のくじ引きではあるが、赤と白の玉がそれぞれ何個ずつ壺に入っているかがプレーヤーには事前にわからない、というような場合である。
小売りの店頭で行われている駆け引きとは
さて、未来はわからないとはいっても、企業が市場において直面しているのが、この2種類の不確実性にかぎられるのであれば、科学の方法で有効に対応できる。第一の不確実性についていえば、そもそもマーケターや経営者は、新たな情報やデータを入手する必要はなく、既知の生起確率の分布を踏まえて合理的な品ぞろえやポートフォリオの組み立てを考えたり、保険商品の購入を検討したりすればよい。