“売り逃さない”セブン-イレブン 高度化するマーケティング・リサーチ (8/9ページ)

2015.1.1 17:04

 ベースは嗅覚と直感、没頭である

 あるいは従前のセブン-イレブンは、若い男性をメーンの顧客としており、それに対応した弁当類などを提供していた。しかし、「今の時代のコンビニは女性や高齢の顧客にとっての『近くて便利』を提供していくべきではないか」と考え、ミールソリューション型の商品群を本格的に投入したことで、セブン-イレブンの近年の売り上げ拡大が実現している。このストア・イノベーションは、若年男性の「近くて便利」にこたえる店づくりという、従前のコンビニの基本ルールを変更したことから生まれたものであり、このタイプのゴール変更を繰り返してきたことで、セブン-イレブンは、市場の飽和や成熟化を乗り越えて、いまだに成長を続けている。

 リサーチにもとづいて活動を行うことが、そもそものリサーチの対象のあり方を再構築してしまう。このような循環する関係のなかでは、科学的なマーケティング・リサーチを行っても、その予測の有効性は限定的なものとなる。

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