杉山社長は仙台空港について、「既存の商業施設はさらに価値向上が可能。周辺には未利用地もあり、発展の余地が大きい」としたうえで、「東北6県には世界遺産や温泉など観光資源も非常に多い」とその潜在力にも期待感を示した。
三菱地所は10月に、新規事業参入へのスピードアップを図るため、既存の部署を「新事業創造部」に改組。この中に空港関連事業への参画を検討する「空港プロジェクト推進室」を新設した。同室は10人で、仙台にも駐在員を置いているという。
企業連合を組むANAHDは仙台空港を利用する最大の航空会社。ANAは三菱地所などの企業連合への参加の狙いを「利用者にとって便利でコストが安いことが一番。それが実現できるパートナーと組んだ」(幹部)としている。
一方、関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営権売却の入札について、杉山社長は「興味はあり引き続き検討するが、条件は厳しい」などと述べ、慎重な姿勢を見せた。運営権の支払総額が約2兆円に上ることから、採算性がネックだという。同運営権には三菱商事、三井不動産、東京急行電鉄などの企業連合が応札を検討しており、年明けにも1次入札が開かれる。