中古マンションの水道管改修ビジネスに関心が集まっている。“適齢期”とされる築30年を超える住戸は全国で100万に達し、今後も着実に積み上がっていくためだ。潜在需要の大きさは魅力的で、この水市場をめぐり参入各社は新たな工法や水処理装置で性能を競い、低コスト化をアピール。受注競争でしのぎを削っている。
処理装置や工法開発
創立100年を超える文房具界の名門、セーラー万年筆は今年から、水処理装置「アクアセーラー」の本格販売に乗り出した。収益基盤を強化するため、主力の万年筆、ロボット事業に続く第3の柱に環境事業を掲げて育成しているが、その核を水処理装置が担う。
水道管の経年劣化が進むと、水漏れなどの問題が生じ日常生活に支障をきたす。交換工事は避けて通れないが、多額の費用と長い工期がネックとなりマンション住民の合意が難しく、市場の伸びは緩慢だ。
セーラーはこうした動向に着目。施設の水道の元栓に設置するだけで、管内部のさびや炭酸カルシウムなどの剥離を促し、再付着を防止する機能を持つ水処理装置でマンション市場に切り込んだ。