たとえば、株主優待が1万円で、売上高粗利率が10%の企業を想定します。株主優待導入のために発生したコストの元を取るためには、別に10万円の売り上げを確保する必要があります。
利益率が1%なら、追加的に100万円の売り上げが必要になるのです。なお、ここでいう「元を取る」とは、コストを吸収しただけで利益ではありません。
本当の株主還元とは、利益率の改善を高め、企業価値を向上し、長期的な株価上昇を株主に提供することではないでしょうか。なお、ファーストリテイリングやセブン&アイ・ホールディングスといった超優良企業では、企業価値を損なうような株主優待は導入していません。一方で、導入しているからといって、それにより株価上昇が続いているという企業も聞きません。