イオンの柴田英二執行役グループ商品最高責任者は「こうして作られた有機農産物や有機畜産物、加工食品は多様な生態系や環境の保全に役立つ」と強調する。化学的に合成された保存料や着色料を使っていないので、消費者の健康志向にもかなっている。
イオンは国内の大手小売りとして初めて、農水省から、有機農産物を使った加工食品を輸入できる「認定輸入業者」の資格を取得した。これにより、「生産コストを抑え、消費者へ手ごろの価格で提供できるようになった」(同)という。
具体的には、資格を持っていることで日本の「有機JAS」のロゴのパッケージなどへの印刷を海外の工場でできるようになる。資格がなければ海外では印刷できず、商品をいったん日本国内へ輸入してから、シールを貼るなどしなければならない。イオンによると「一般的に、国内でシール1枚を貼ると関連作業も含め15~30円のコストがかかる」。海外で印刷できるようになると、それだけコストが下がり、販売価格を安くできるという。