デフレ下で、並盛280円まで価格の引き下げ競争を繰り広げた牛丼各社。ゼンショーホールディングスが展開する「すき家」は4月1日から270円に値下げする。「安値を競うよりもメニューの付加価値を高めて価格に反映させるべきだ」と、安部修仁・吉野家ホールディングス会長が語るように、業界では現行の280円からの引き上げ、もしくは据え置きが前提になるとされていた中で、あえて逆行する値下げだ。
すき家は看板商品の「お得感」を打ち出すことで「増税で低価格へのニーズが高まり、客数が増える。同時に“プチぜいたく志向”の追い風で、売上高全体を伸ばせる」(ゼンショーホールディングス)とのシナリオを描く。
ライバルの価格を見極めてからとしていた吉野家、「松屋」も今後対策を急ぐことになり、牛丼値下げ競争が再燃しそうだ。