環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は10日、来年1月の閣僚会合再開を盛り込んだ共同声明を発表し閉幕した。関税全廃にこだわる米国の圧力に対し、日本側は農産物の「重要5分野」586品目のうち守るべき品目を選別し、そこは一歩も譲らない姿勢を貫いた。交渉の早期妥結で米国と連携しながらも厳しい交渉は続く。
米国を側面支援
「来月に閣僚会合を開くべきだ」
閣僚会合の会場となったシンガポールのホテルの会議室。西村康稔内閣府副大臣は10日、参加12カ国の閣僚らに来年1月の会合再開を提案した。「年内妥結」の断念で、交渉全体の勢いがしぼむことを避けるのが狙いだった。
日本政府は米国と歩調を合わせ「年内妥結」を目指してきた。米国と連携して一気に交渉をまとめ、日本の農産品の関税維持を図ろうとしたからだ。それだけに、妥結先送りは避けたかった。
そもそも、日本は交渉全体の空気を読まない米国を支えてきた面もある。
「首相、会議に参加すると表明してください」