来年4月の消費税率8%への引き上げに伴い、JR旅客6社は12月12日、運賃・料金の改定を国土交通省に認可申請した。カード型IC乗車券で、Suica(スイカ)のJR東日本だけが1円刻みで正確に増税分を反映させ、券売機で購入する切符と価格が異なる「二重運賃」となる。4月1日から実施予定。また、関西の私鉄5社はこの日、10円単位の値上げを発表し、1円刻み見送りを明らかにした。
一部で逆転現象
JRの運賃値上げは、消費税率が5%に引き上げられた1997年4月以来。他5社はカード普及率が低いため1円刻みを見送り、カード、切符とも10円単位で同じ価格に設定した。税抜き運賃に8%を上乗せし、10円未満を四捨五入する。JR東日本の切符も原則として四捨五入するが、一部で切り上げる。平均改定率はJR北海道が2.856%、他は2.857%。
JR東日本によると、東京周辺の乗客の特に多い「電車特定区間」ではカードが切符より安くなり“お得”。他の地区では切符が安くなる“逆転現象”が起きるエリアがあるため、駅の運賃表で案内するという。
初乗り運賃はJR西日本が120円、東海が140円、四国、九州が160円のまま据え置いたが、東日本では切符が140円、カードが特定区間で133円、他の地区で144円となった。