米メーカーが得意とする大型車も人気を盛り返しつつある。金融危機以降しばらく大型車の開発を中止する代わりに中小型車の強化に追われたが、今回はGMやフォードがピックアップトラックの新型を発表。フォードのムラーリー最高経営責任者(CEO)は「まだ進化する」と鼻息が荒い。ピックアップは米国勢がシェアの8割を占め、各社の業績改善の追い風となっている。
GMは昨年、米政府が全保有株を売却し、公的管理から完全脱却。GM生え抜きで自動車大手初の女性トップとなったバーラCEOのもと、「一層攻勢を強めてくる」(日本車メーカー)と他社を警戒させる。
中小型車を得意とし、米国勢のシェアを切り崩してきた日本車メーカーもてこ入れを迫られる。ただ、トヨタのレンツ氏は「小型車にも依然強いニーズがある。要はバランスだ」と、大幅な方針転換には慎重だ。