一方、伊藤忠に期待されているのは保険実務に関するノウハウだ。伊藤忠はカード発行業務のほか、クレーム処理、盗難・事故についてやりとりをするコールセンターの運営を代行する。
両社の強みのコラボレーションが顧客獲得の原動力になっている。今後は、ツーリング情報の提供や会員同士の情報交換の場を提供するなど、日本モデルをアジアに根付かせたい考えだ。
ホンダプラスのビジネスモデルの源流はタイにある。河井氏は2004~09年にタイの首都バンコクに駐在した際、同国でホンダプラスと同様の仕組みを構築していた。
当時、河井氏は3カ月に1度は、約1カ月かけて地方販売店の声を吸い上げる草の根営業をしてきた。盗難や事故処理のきめ細かいサービスの安心感が口コミで広がったこともあり、04年に8万件弱だった保険契約数は現在、約3倍の25万件強に成長した。