現在、20~50代女性のブランド認知率が98%という天使のブラ。日本女性にブラジャーの知識を広める役割から、体形の欧米化や、場面に合わせた下着選びといったニーズの多様化に合わせて進化を続けてきた。技術の蓄積と、その根底に流れる「日本女性を美しくしたい」という担当者たちの変わらぬ思いが、時代を超えた根強い支持を集めている。(滝川麻衣子)
20年の伝統支える組織力
≪TEAM≫
トリンプの看板商品「天使のブラ」の伝統は、技術開発やデザイン、広告宣伝などの部署が支えてきた。
天使のブラの強みは毎年春夏、秋冬の年2回、新製品に加わる改良や新機能だ。例えば、「胸の谷間」をつくるブラジャーとして一世を風靡(ふうび)した「天使のブラ アップ&クリック」(1998年)は、前面の留め具を「カチ、カチ」と調節することで胸のボリュームを変えられる機能を付けた。20万枚売れればヒットとされる下着市場で、100万枚を達成した。