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「女生徒270人 奴隷に売り飛ばす」 拉致のナイジェリア過激派、西洋教育を敵視

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「女生徒270人 奴隷に売り飛ばす」 拉致のナイジェリア過激派、西洋教育を敵視

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ナイジェリアの最大都市ラゴスで、拉致された女子生徒の解放を求めて行われたデモ=2014年5月5日(ロイター)  ナイジェリア北東部ボルノ州で4月、女子生徒270人以上が武装集団に拉致される事件があり、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の指導者、アブバカル・シェカウ容疑者は5月6日までに、女生徒らを「奴隷として売り飛ばす」とするビデオを発表した。オバマ米大統領は6日、「全てのできることをやる」として、女生徒の救出を全面支援する考えを表明した。

 シェカウ容疑者は声明で「西洋の教育は終わるべきだ。少女たちは(学校を)去り結婚せよ」と述べ、女性が教育を受けることへの敵意をむき出しにした。

 ボコ・ハラムは4月14日、ボルノ州にある学生寮を襲撃し女生徒たちを拉致。約50人は自力で脱出したが、220人以上が連れ去られたままだ。

 一部は実行犯グループに結婚を強要されたり、隣国カメルーンやチャドに連行されたりしているとの情報もある。

 ロイター通信によると、ナイジェリア北東部では今月(5月)5日から6日にも、武装した男たちが村を襲撃して少女8人を拉致する事件が起きており、ボコ・ハラムの関与が疑われている。

 現地語で「西洋の教育は罪」を意味するボコ・ハラムは、シャリーア(イスラム法)の統治による厳格なイスラム国家建設を主張。国際テロ組織アルカーイダに代表される「ジハード(聖戦)」思想が色濃く反映された組織だ。

 2002年の創設以降、キリスト教徒だけでなく西洋式教育を受けるイスラム教徒など、自分たちの信仰と合致しない者を「不信仰者」と断罪することでテロを正当化。ジハードと称してテロを繰り返してきた。これは、ボコ・ハラムが連携しているとされる各地のアルカーイダ系などの武装勢力に共通する考え方だ。イスラムでは伝統的に、ジハードで奪ったものは「戦利品」として分配され、女性や未成年者は奴隷として売買できるとされる。

 ナイジェリアのジョナサン大統領は(5月)4日、「国の試練のときだ」と述べ、女生徒の救出に全力を挙げる考えを示した。ただ、北部には政府の支配が及ばない地域もあって難航している。(カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS

 ≪米大統領、救出に全面協力≫

 オバマ米大統領は5月6日、ナイジェリアでイスラム過激派ボコ・ハラムとみられる武装集団に拉致された女子生徒270人以上の救出に向け「できることを全てやる」と述べ、全面協力すると表明した。米NBCテレビのインタビューで語った。

 米政府は軍や捜査当局の専門家チームを派遣し、首都アブジャの米大使館を拠点に情報面などで女子生徒らの捜索・救出作戦を支援する方針だ。

 ケリー米国務長官は6日、ナイジェリアのジョナサン大統領と電話会談。ジョナサン氏は支援受け入れに同意したといい、ケリー氏は記者会見で「直ちに実行に移す」と強調した。

 一方、ナイジェリアの治安当局は7日までに、生徒の救出に向け、情報提供を求める映像を公開した。欧米メディアによると、当局は映像で国民に対し「あなたの情報は極めて重要です。私たちは同じナイジェリア人です。互いに助け合いましょう」と呼びかけた。

 ただアブジャなどでは生徒を救出できない政府の対応に抗議するデモが続いている。

 武装集団は4月14日、北東部ボルノ州の学校を襲撃し、16~18歳の生徒らを拉致。今月(5月)に入り、ボコ・ハラムの指導者、アブバカル・シェカウ容疑者が関与を認め、生徒を「奴隷」として売り飛ばすと脅迫するビデオ映像を発表した。

 ケリー氏は米アフリカ軍司令部と連携を取っていると語ったが、カーニー米大統領報道官は6日の記者会見で部隊派遣は考えていないとした。

 AP通信などによると、デモ主催者の女性は5日、ボコ・ハラムとの関係を疑われ、警察当局に一時、身柄を拘束されたと訴えた。当局は否定した。(共同/SANKEI EXPRESS

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