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ネットで評判広がり、アジアツアー tricot

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ネットで評判広がり、アジアツアー tricot

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3月8日の台湾公演で、超満員の観客を前に歌う中嶋イッキュウ=2014年(Viola_Kam(V’z_Twinkle)さん撮影、提供写真)  インディーズバンドのtricotがアジアツアーに出るというので、そのうち2カ所の公演を見てきた。アジアでは以前からCHAGE and ASKAや安全地帯、そして安室奈美恵、L’Arc-en-Cielなどを筆頭に日本の音楽は人気を極めているが、最近は日本のアニメ主題歌のブームが東南アジアで起きたこともあり、ONE OK ROCKなど若手バンドも海を渡る機会が増えてきた。

 とはいえ、tricotはスタッフ2人とバンドメンバーだけの自主レーベルで、関西をベースに地道に活動中。今年2月に台湾・香港・マレーシアでデビューアルバム『T H E』が発売されたタイミングで、ディストリビューションしたレーベル同士がタッグを組み、そこにシンガポールとフィリピンのオーガナイザーが参加してツアーが実現した。

 YouTubeから人気

 「これまで行ったことのない国で、“待ってたぜ!”みたいな人たちがいることに驚きもしたし、うれしかったし。マレーシアでは誕生日を祝ってもらいました」(キダ)

 台湾では2年ぶりの公演とあって大成功を収め、香港も盛り上がったという。マレーシアでは驚いたことに一緒に歌っているファンが多く、聞くとYouTubeやCDから歌詞を覚えたそうだ。シンガポールでは初めて曲を聴く客が多いようだったが、フィリピンでは、「ファンクラブ的なtricotのストリートチームに100人以上メンバーがいて、ポスターを作って街に貼るなど応援してくれて、ライブも一番盛り上がった」(中嶋)。

 そしてファンはというと、「変拍子ロックながら、メロディーがとても良く、歌いやすい」と話す。海外での人気の高さはfacebookからもわかるが、YouTubeにしろSNSから広がる可能性は計り知れない。人気曲「爆裂パニエさん」は閲覧回数が100万回を超えている。

 しかしながら体調を崩したメンバーがいたり、機材や設備の悪さから思うような音を出せず、苦労も多かった。

 「でもなかなか来れへん土地だし、見に来てよかったと思うようなライブにはしたいと、演奏中もずっと思って、常にベストを尽くすようにしていました」(中嶋)

 今夏にはヨーロッパのフェスに招待される。「各国どこでも行きたいから、とりあえずアジアから攻めた感じ」(中嶋)。「インディーズだからこそ、自由にやらせてもらっていますね」(ヒロミ)。オリジナリティーの高い楽曲に、インディーズならではのフットワークを生かし、今年は飛躍の年になりそうだ。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■トリコ 2010年9月、中嶋イッキュウ(Vo&G)、キダ モティフォ(G&Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(B&Cho)の3人で結成。今夏、セルビアで開催されるヨーロッパ最大級の「EXIT FESTIVAL」をはじめ、ハンガリー、チェコ、スロバキアの計4カ国の野外フェスに招待されている。

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