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音楽は人を幸福にする芸術だと思う androp

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音楽は人を幸福にする芸術だと思う androp

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バンド、androp。(写真右上から時計回りで)内澤崇仁(Vo&G)、伊藤彬彦(Dr)、佐藤拓也(G&Key)、前田恭介(B、提供写真)  3月23日に国立代々木競技場・第一体育館でのコンサートを行うandrop。急成長を遂げているこのバンドの中心人物である内澤崇仁に話を聞いた。

 「幼少時にカーペンターズの曲にひかれていたら、『歌っているカレンはもう亡くなっているのよ』と母から聞かされた。僕は『亡くなったとしても聴く人の心を動かすことができるなんて、音楽はすごい』と、この時気づいたんです」

 曲作りは得意でも、歌うことは苦手だった。しかし高校生のころからバンド活動を繰り返すなか、望むタイプのボーカリストに巡り会えず、ついに自分で歌うことを決意。納得のいくメンバーを探して結成したのがandropだった。

 芸術性の高い映像とのコラボや、丁寧に心情を紡ぎだす歌詞、多彩な音楽性は早くから評価されてきた。知名度を上げたのはTVドラマの主題歌にも起用され、昨夏にリリースした「Voice」。「いつも支えてくれる観客と一緒に歌える歌を」とツアー中に作曲し、大胆にポップな楽曲で大ヒット。一方でその3カ月後に発表した内澤の裏声を使った「Missing」では、心に突き刺さるような繊細な楽曲で、さらなる一面を見せた。

 弱い自分を見せる

 「この曲を発表したのは強いボーカリストになりたかったから。ステージで歌っている言葉が遠くにいる人に届かないと感じる瞬間があって、その見えない壁を壊せない自分に弱さを感じていた。ボイストレーニングの先生の死をきっかけに書いた、僕の歌の原点が詰まっている昔の曲なのに、自分で封印して目を背けていた。今も歌うたびに自分の弱い部分を全部見せている気がして視線が痛いけど、それが伝えることなのかなと、思っています」

 アルバム『period』には「6次の隔たりという仮説」から生まれた「Six」をはじめ、“つながる”という言葉がキーワードとなり、「君の声で歌ってほしい」「君のための歌を歌うよ」といった“みんな”になる前の一人一人に届く歌を歌いたいという思いが込められている。

 「音楽って人に寄り添うものだし、人を幸福にする一つの芸術だと思う。自分が鳴らす音楽が、他人と他人をつなぐものだったらすごくいいと思うし、明るい未来に気づくきっかけを与えられる曲になれたらうれしいですね」(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■アンドロップ 2008年、内澤崇仁(Vo&G)を中心に結成。09年12月に1stアルバム『anew』でデビュー。andropのそれぞれの文字を頭文字にしたアルバムを次々発表し、この3枚目のフルアルバム『period』でpに到達。幅広い音楽性と高度な演奏技術で、新たな音世界を切り開いた。

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