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EDMを進化させた新世代DJ AVICII

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EDMを進化させた新世代DJ AVICII

更新

世界中のイベントに呼ばれている人気DJのAVICII(アヴィーチー)。母親は女優のアンキ・リデン(提供写真)  ちょうど1年前にアメリカから火のついたEDMブームの記事を書いたが、時代は若手DJに引き継がれ、第2ステージに突入した。その筆頭はスウェーデン出身の24歳、AVICII(アヴィーチー)。出世作「LEVELS」でその名は一部で知られていたものの、今回インキュバスのギタリストのマイク・アインジガーや、ソウルシンガーのアロー・ブラックをフィーチャーした「ウェイク・ミー・アップ」がヨーロッパから大ヒットし、アコースティックサウンドとEDMをミックスさせた手法で俄然注目されている。何しろEDMはパーティーミュージックとして盛り上げ専門だったため、音圧が非常に高かったが、オーガニックな音を混ぜることによって寄り添いやすくなったのだ。コンテンポラリーフォークとインディーサウンドのアイデアを出したのは彼のマネジャーで、AVICII本人も「規格の外に踏み出したいと思っていたから、その変化を実行するために最も適した方法だと感じた」と、そのチャレンジについて話している。

 規格の外へ

 「オブ・モンスターズ・アンド・メンやマムフォード&サンズといった、よく聴いていた音楽が、アーティスティックな方向性を形作る手助けになった。ブルーグラスはずっと好きな音楽だ。何かカッコイイし、感じがいい。ハーモニーのせいですごくメロウで、引きつけられる」

 そのブルーグラスの人気バンドである、アリソン・クラウス・アンド・ユニオン・ステーションのメンバーのダン・ティミンスキーをボーカルに迎えた「ヘイ・ブラザー」。前半はフォークロア色が強いが、中盤からビートで踊らせていくあたりはEDMの隠し味を効かせた彼の真骨頂だろう。「レイ・ミー・ダウン」ではアダム・ランバートの歌唱法と、ダフト・パンクとのコラボで再ブームを巻き起こした1970年代ディスコの雄、ナイル・ロジャース(シック)のカッティングギターが光る。

 「僕のアルバムで、エレクトロニックミュージックの可能性に終わりがないことを知ってくれたらと思うし、自分自身にいつも忠実で、何もかも先入観なしに聴いてほしいと思う」

 自由な感覚はアルバム「トゥルー」に存分にあふれている。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■アヴィーチー 本名ティム・バークリング。ダフト・パンクとの出会いが音楽観を変え、18歳から今のキャリアをスタート、ピアノの基礎やコード進行なども学ぶ。2011年にEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の御大デヴィッド・ゲッタとコラボした「サンシャイン」で第54回グラミー賞最優秀ダンス・レコーディングにノミネート。翌年には自身の「LEVELS」で同賞ノミネート。マドンナやレニー・クラヴィッツとの仕事でも活躍。本作がデビューアルバム。

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