SankeiBiz for mobile

手塚先生のファン。この作品が一番好き ブッダの声担当 吉岡秀隆さんインタビュー

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのエンタメ

手塚先生のファン。この作品が一番好き ブッダの声担当 吉岡秀隆さんインタビュー

更新

「手塚(治虫)先生がこの映画をみたら、どう思うかな」と語る、俳優の吉岡秀隆さん=2014年1月10日、東京都中央区(瀧誠四郎撮影)  □映画「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-」

 日本のアニメーションに高い関心を示す仏パリのルーブル美術館で1月27日、プレミア上映が催され、内外に話題を呼んだ「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-」(小村敏明監督)。漫画の巨匠、手塚治虫(1928~89年)が10年の歳月をかけて完成させた不朽の名作「ブッダ」の映画化第2弾(3部作)だ。

 常に人間の生と死のあり方について思い悩む主人公、シッダールタ(後のブッダ)の声を担当した吉岡秀隆(43)は、「僕はもともと手塚先生のファンで、中でも『ブッダ』が一番好きです。かつて手塚先生の『ブッダ』を読んで救われた気持ちになった人たちに、この映画を見てもらって、もう一度、その感動を思い出してもらえたらと思い、僕は声優の仕事に臨みました」と語った。

 周囲の心遣いに感謝

 2500年前のインド。他国と覇権争いを続けるシャカ一族が治めるシャカ国で、王子シッダールタは恵まれた身分を捨て、真実を求めて旅に出る。幼少時に城の外で出会ったタッタ(声・松山ケンイチ)や、かつて思いを通わせたミゲーラ(声・水樹奈々)にも再会した。そんなある日、出自に悩むコーサラ国のルリ王子(声・真木よう子)は、シッダールタに憎しみを抱き、シャカ国侵略へ乗り出した。

 優しくも、力強さを秘めた吉岡の声が印象的だ。吉岡は「アフレコで難しいのは、丁寧に感情を込めようとする自分の思いとは裏腹に、映像がどんどん進んでしまうこと。自分が演じた方が早いのですが、そこを何とか声と映像が重なり合うようにと、監督やプロデューサーがしっかりと指導してくれましたし、(母親役の)吉永小百合さんが一緒にいてくれました。何よりも皆さんの心遣いに救われました」と謝意を示し、ほっとした表情をみせた。

 救われた気がしました

 人生の不安や悩みに吉岡はどう向き合ってきたのだろう。「人間が『何で私は生まれてきたのか』『何で私は生きていくのか』と考えたり、死を恐れたりするのは当たり前のことだと思います。悩んでいるのは僕だけじゃないんだと、手塚先生のブッダを読んだときに僕は救われた気がしましたね」。やはり手塚の「ブッダ」から受けた影響が大きいようだ。

 実は、自身が諏訪満男役で出演した「男はつらいよ」シリーズ(1981~95年)にも、悩める人間たちの答えになるのではないかと考える描写があるそうだ。「満男が寅さん(渥美清)に『人は何で生きていくの?』と質問すると、寅さんはいいます。『生きてきてよかったなと思うときがある。そのときのために人は生きているんじゃないのか』。僕もそんな気がするんです」

 テレビドラマ、映画、声優と幅広いフィールドで活躍してきた吉岡だが、大好きな手塚作品への出演を契機に、改めて声優にもっと力を入れていくことも視野に入れているのか。「今までもそうですが、どの作品をやってみたいというのがないんですよ。やりたいからやれるものを、われわれは待つ側なんですよ。待つのも役者の仕事だから」。2月8日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS (動画))

 ■よしおか・ひでたか 1970年8月12日、埼玉県生まれ。テレビドラマ「北の国から」シリーズで21年間演じた純役で知られる。主な映画の出演作は、「男はつらいよ」シリーズ、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、2014年「小さいおうち」など。テレビドラマでは、「Dr.コトー診療所」シリーズなど。

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2014年2月12日まで>)。アプリは「App Store」「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

ランキング