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イメージ一新 おいしくてヘルシーな病院食 管理栄養士考案メニュー

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イメージ一新 おいしくてヘルシーな病院食 管理栄養士考案メニュー

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 【食を楽しむ】

 病院の管理栄養士が入院患者のために考えた食事が注目を集めている。塩分控えめ、低カロリーなど健康に配慮するだけでなく、おいしく食べられる工夫をしているのが特徴。書店にはさまざまな病院のレシピ本が並ぶ。家族向けの料理教室や、患者用の献立を用意したレストランも人気だ。

 がん患者向け料理教室

 「サンマはきつね色になるまで。揚げ物が苦手ならかば焼きでもいいです」。昨年(2013年)10月、国立がん研究センター東病院の「がん患者・家族総合支援センター」(千葉県柏市)で開かれた料理教室。落合由美さんら管理栄養士2人と参加者が、この日の献立「変わり麦飯のさんま竜田揚丼」など5品を作った。

 便秘の人が食物繊維をたっぷり取れるよう、麦飯には切り干し大根やレンコンをまぜた。下痢の人向けには、消化に良いニンジンや大根と鶏肉のささ身を使った汁物も紹介された。料理教室はがん患者や家族向けに2008年9月から始まり、毎月第2、第4木曜日に開いている。

 これまで作った献立をまとめた「がん患者さんのための国がん東病院レシピ」(法研)を昨年(2013年)9月に出版。吐き気や味覚の変化など症状に応じた計215品を盛り込んだ。簡単に作れる「一口おにぎり」や「ほうじ茶ゼリー」などデザートもある。

 落合さんは「食べたいのに食べられない」と苦しむ患者や「元気になってほしくて料理を作ったのに食べてもらえない」と嘆く家族から何度も相談を受けた。「ちょっとした工夫で食べられることはある」と落合さん。

 約3年前に胃がんの手術を受け、退院1カ月後から料理教室に通い始めた埼玉県三郷市の大竹恵美子さん(64)は「以前は一口食べるたびに吐き気がしてトイレに駆け込んでいた」と振り返る。最近は教室で試食したものを自宅で作り、娘(42)やカラオケ教室の仲間に振る舞っている。

 「糖尿ダイエット定食」

 せんぽ東京高輪病院(東京都港区)2階のレストランでは12年11月から日替わりの「糖尿ダイエット定食」など、健康に配慮した入院患者と同じ献立を加えた。例えば「ぶりと大根のステーキ定食」には、ユズで味付けして塩分を抑えたサラダと豆乳スープが付く。

 「病院の食事はまずい、という印象を変えたくて」栄養管理室長の足立香代子さんらが献立を考えた。だしのうま味や香草、スパイスなど病院であまり使わないもので味付けをした。患者にも好評という。

 高輪病院で高血圧の通院治療をしている山木高志さん(51)は毎日昼、会社から食べに来る。「社員食堂でカロリーや塩分を控えようとすると、同じようなおかずになってつまらない。薬を飲まなくても血圧は安定している。この食事を続けるのが私の治療」と笑顔を浮かべた。(SANKEI EXPRESS

 【減塩できる味付け】

・バルサミコ酢の酸味

・香ばしい黒ごま風味

・魚しょうやライムのエスニック風味

・ニンニクや長ネギうま味

・レモンやパイナップルの香り

 ※「せんぽ東京高輪病院 日本一の減る塩定食」より

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