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究極の銀シャリを主役に懐石2コース 東京・銀座 「銀座米料亭 八代目儀兵衛」

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究極の銀シャリを主役に懐石2コース 東京・銀座 「銀座米料亭 八代目儀兵衛」

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 【食を楽しむ】

 お粥から始まって、すし、丼、はたまたおこげ-。コメを主役にしたユニークな懐石を楽しめる「銀座米料亭 八代目儀兵衛」が東京・銀座にオープンした。コメへの熱い思いを抱く兄弟が、あらゆる角度からおコメを味わわせてくれる。

 冷めてもおいしい

 「今の子供たちは『おコメには味がない』というけれど、おコメには味がある。おコメはおいしいんです!」。こう力説するのは、料亭を運営する「八代目 儀兵衛」の代表取締役社長、橋本隆志さん(40)だ。京都の老舗米店に生まれ、「五つ星お米マイスター」の資格を持つ橋本さんは、コメの魅力を伝えるべく、コメのギフト商品を手がけるインターネットショップを設立。また、2009年には「究極の銀シャリを食べられる場所を」と京都・祗園に米料亭をオープンし、行列店に成長させた。今回の銀座店はその2店舗目にあたる。

 総料理長をつとめるのは、弟の晃治さん(37)。京都の料亭で修業中、橋本さんから「コメギフトだけでは、コメの良さは伝えきれない。おコメをご飯として味わってもらうためにも、コメ職人になってくれ!」と口説かれたのだ。

 コメの品質はもちろん、炊飯技術から釜までこだわった米料亭。その魅力を最大限に楽しめるのが、月替わりでメニューが変わる6800円と8800円の2種類の懐石コースだ。

 8800円の「米ざんまい」コース(10月)は、まさに「米のテーマパーク」だ。ぷちぷちした食感が楽しいマツタケと雑穀の粥、コメぬかで仕込んだへしこをほぐしてオリーブオイルとあえ、ソースとしていただくバーニャカウダ風の京野菜…。粘りが少なく粒が大きい種類のコメを使ったすしは、煮穴子やイカなどのネタのおいしさはもちろん、シャリが主役級の存在感を放つ。一口サイズの湯葉やイクラ、ウニの丼やおにぎりはミニチュアのようで、見ているだけでもわくわくする。もちろん、これも「冷めてもおいしい」など、それぞれに適したコメを使っている。

 ご飯に変わる瞬間

 「ここでしか食べられない」と晃治さんが胸を張るのは、「瞬米」。ほんの少しだけよそわれたコメ粒が、ダイヤモンドのように輝いている。「『コメ』から『ご飯』に変わる瞬間のものです。おコメのアルデンテといったところでしょうか」と話すその食感は、むっちり。そして、橋本さんをはじめとしたマイスターが配合したブレンド米「翁霞」を、特製の土鍋炊飯釜で炊きあげた「究極の銀シャリ」が登場。コメの実り具合に合わせ、約2週間おきに配合を変えているという。「人間と同じで、おコメは単一では力を発揮することができません。それぞれの個性を熟知して組み合わせることで、よりおコメがおいしくなるのです」(橋本さん)

 「日本人の原点を大事に」という思いから、おみそ汁とおかず2品(この日は中トロのあぶりと、牛肉の煮物)などとともに一汁三菜のスタイルで供されるが、やっぱり主役はコメ。香り、味、食感、粘り、のどごしのバランスが絶妙で、おなかがいっぱいのはずなのに、いくらでもいただけてしまう。

 コースはデザートまで栗おはぎと、まさにコメづくし。でも、不思議ともたれる感じはない。「最後まで飽きずにおいしく食べていただけるよう、バランスを工夫しています」と晃治さん。

 おコメを食べると幸せになれる-。そんな日本人としての原点を思い出させてくれるひとときだ。(文:塩塚夢/撮影:藤原翔/SANKEI EXPRESS

 【ガイド】

 ■銀座米料亭 八代目儀兵衛 東京都中央区銀座5の4の15 エフローレ銀座1階。(電)03・6280・6383。ランチ:午前11時~午後2時30分、ディナー:午後6時~10時30分(LO:午後9時)。日曜定休。

昼は天ぷらや豆腐がつく「儀兵衛の精進御膳」(1480円)などで、土鍋炊きのごはんがおかわり自由!

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