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劇団☆新感線と大人計画が初タッグ 舞台「ラストフラワーズ」

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劇団☆新感線と大人計画が初タッグ 舞台「ラストフラワーズ」

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「松尾さんの台本は個々のキャラクターが秀逸」と語る古田新太(同)  ■松尾スズキ、皆に見せ場 苦しかった/古田新太、ロマンチックだけど毒も

 演劇界の“二大勢力”とされる劇団「大人計画」と「劇団☆新感線」が「大人の新感線」として初めてタッグを組む舞台「ラストフラワーズ」が30日から上演される。「大人計画」主宰の松尾スズキ(51)が台本を手がけ、「新感線」主宰、いのうえひでのり(54)が演出。松尾は「新感線のファンも意識し、皆の見せ場を考えて台本を書くのは苦しかった」と振り返った。(竹中文)

 松尾が昭和63年に旗揚げした大人計画は、阿部サダヲ(44)や宮藤官九郎(44)など個性派俳優をそろえる。新感線の旗揚げは同55年。関西学生演劇ブームの中心的存在として注目され、殺陣などの派手なアクションやロックミュージカルを取り入れるなど趣向を凝らしてきた。看板俳優は古田新太(48)ら。所属俳優の互いの劇団への客演はあるが、両劇団が合体して上演するのは初めてだ。

 「ラストフラワーズ」は国家と秘密組織、諜報機関が絡み合って裏切りが展開される「スパイもの」。阿部や宮藤、古田ら劇団員のほか、小池栄子(33)がゲスト出演する。

 古田は松尾作・演出の舞台「ふくすけ」(平成24年)などに出演経験があり、松尾作品については「ロマンチックだけど“毒”も多い」と指摘。新感線のために書いたと感じるのは「やたらに意味のないアクションシーンがあるところ(笑)。僕の登場シーンでも『カモメも交えて面白いアクション』というようなト書きがあります」と目尻を下げる。両劇団は観客の爆笑を誘う公演が多く「笑えるシーンのせりふの掛け合いにはまったく苦労しません」とも話した。

 劇団合体の話が浮上したのは約5年前だ。新感線の公演時、楽屋を訪れた松尾が「新感線に台本を書きたい」という内容の発言をして、いのうえが快諾した。松尾は「そのときはそんなに真剣ではなかったけれど、いつか一緒にできればいいなとは思っていました」という。

 松尾台本が松尾以外の手で舞台演出されるのも初めてのことだ。出演者として初稽古に挑んだ松尾は「座ってコーヒーを飲むイメージで書いたシーンで(いのうえに)『くるくる回るように踊りながら出てきてコーヒーを飲みに戻って』といわれた。難題だと思いました」。回転しすぎて目が回り、椅子に座り損ねて転んだ。「情けなかった」と苦笑するが、それでも「演出家の言うことには100%従います。あらがうのは人の時間を無駄にすることだと分かっていますから」と力を込めた。

 8月25日まで、東京・赤坂ACTシアター。9月3~30日、大阪・シアターBRAVA!。東京公演の問い合わせはサンライズプロモーション東京(電)0570・00・3337。

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